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【おすすめ小説】美しき世界観!幻想的な物語に引き込まれる『この闇と光』

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今回ご紹介させていただく作品は、服部まゆみ著作の小説『この闇と光』です。

美しい世界観と驚愕必至の結末など『この闇と光』の持つ魅力に迫ります。

 

『この闇と光』が持つ独特の魅力とは

美しい世界観

服部まゆみさんの小説全般そうなのですが、特に今回ご紹介する『この光と闇』は主人公の幼き盲目の王女・レイラの部屋や食事、ドレス、太陽や鳥のさえずりなど物語のどの場面に注目しても情景描写が驚くほど美しい!

たったひとつの場面でも、その情景を細かく想像できるようその場にある小さな箇所もひとつひとつ丁寧に表現されていて読みながらレイラがいる場所の様子が頭の中でごく自然と映像化されていくため知らず知らずのうちにこの物語に引き込まれていってしまいます。

 

そして、情景の表現のための言葉選びが素晴らしい。

上品さや美しさはもちろん、儚げな印象すら覚える秀逸な言葉で表現され、ひとつひとつのシーンを形作っています。しかし、綺麗な言葉が多く並べられているのに、絶妙にくどくなく、読んでいて決して疲れてこないことが不思議です。

 

目が離せない主人公

 この物語の主人公は "森の奥深くで囚われの身となっている盲目の王女・レイラ" です。このレイラ姫が盲目であることが読者を惹きつける大きな要因となっています。

 

目が見えないレイラは部屋の外にでることもままならない。そして、そんなレイラを体罰ともとれる恐ろしい言葉と態度で接する世話係・ダフネの存在といつも優しくレイラを包み込み安心感を与えてえくれる国王・父という二人の人間の存在のみがレイラを取り巻く唯一の人間関係なのです。

 

そんな恐ろしいダフネと優しい父親のもとでレイラは成長していきます。

父のいない昼間は一人部屋の中でカセットテープから大好きな物語を聞きながら過ごし父の帰りを待ちます。

しかし、何の前触れもなく現れる世話係・ダフネの存在はレイラにとって恐怖の存在以外の何者でもありませんでした。

父が帰ると、レイラは大好きな父とハグをし、今日のことを話します。

そして、レイラが眠るころ父はレイラに絵本を読み聞かせる。レイラにとってこの時間が何よりも幸せな時間でした。

 

しかし、幸せな日々は永遠ではありませんでした。

レイラはある日ダフネに、突然外の世界に連れ出されて・・・。

 

引き込まれるストーリー展開

ミステリーとしての物語の展開はおそらく読む人ほとんど全員の予想を大きく裏切るものとなっていると思います。

 読者の先入観や思い込みを巧みに利用して、ちりばめられた伏線の違和感を消し去り、その結果結末に向かいながら速度を増す伏線回収は読者に大きすぎる衝撃を与えます。

 

文章上の仕掛けで読者を上手く勘違いさせたまま物語を展開する叙述トリックの大傑作との呼び声高い作品です。

 

衝撃の結末やどんでん返しが用意された作品がお好きな方は

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 最後に

いかがだったでしょうか。

今回は服部まゆみさんの最高傑作とも評される『この闇と光』の持つ魅力についてご紹介させていただきました。

これほどまでに徹底された幻想的な世界観を持つ小説もなかなかないので、

美しく儚げな物語がお好きな方には是非読んでいただきたい一冊です。

 

今回の記事がみなさまの次の一冊を選ぶ参考になれば幸いです( '▽')>

 

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ!

 

この闇と光 (角川文庫)

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